ペットの生命力から共感し得た学び Part1
我が家では15歳6ヶ月(2021年5月現在)になる
ミニチュアダックスフンドの老犬を飼っています。
3歳の時に家内の知人から譲り受けて12年の月日が過ぎました。
年齢を追うごとに体調を崩すことが増えてきました。
先日も急に嘔吐と下痢が始まって
動物病院に連日診察を受けることがあり、
治療の効果があって何とか回復へ向かいました。
回復はしましたものの、原因はわかりませんが以前にも増して
偏食の傾向が一段と強くなりました。
具体的に言えば、フードを出しただけでは全く手を付けず、
スプーンでフードをすくって食べさせる、
言わば介護の対応となりました。
しかも、大好きなクリームチーズを付けないと
食べてくれない状態でした。
一口食べてはまた一口というように
何度も何度もスプーンを口元まで持っていき、
あきらめず、根気強く食べさせていかなければなりません。
また、食べさせる姿勢も腰を下ろして足をしゃがんだままの
窮屈な状態となりますので、体力的にも確かにしんどいのですが、
ところが、ある時そのようにしている自分をふと客観的な視点で
観察していくと、食べさせてあげることだけに没頭して
集中しているために、時間が過ぎていく感覚を忘れて、
「ただ愛しい」と想うだけの世界にいることが感じられたのです。

相手は人間ではなく、ペットの犬という動物に過ぎないのですが、
それでも心底真剣に向き合うことで、
「無私の奉仕」、「無条件の愛」という
『愛そのもの』を垣間見ることができたように思います。
これら一連の私と犬との状況を見て、
そばにいた家内の口から出た言葉は、
「優しい!」というフレーズでした。
私自身がその言葉を掛けられる度、
嬉しさと恥かしさが混じり合う気持ちになりながらも、
素直に受け入れていくと感謝と安堵の気持ちへと
肯定的な受け留め方に変わっていきました。
私と犬との関係が“これまでの枠”を超えて“新たなステージ”へと
移行していた感覚を感じていたように思います。
それを具体的に表現するのは難しいのですが、
あえて言うとしたら、フードをあげている時の向き合い方が
一段と寄り添う気持ちが強くなって、
「一日、いや一秒でも長くこの世に一緒に居たい、
生きて欲しい」という、そんな切実な願い、祈りの気持ちが
より鮮明になってきたことに気づき出しました。
今まで感じたことのない心の不思議な感覚を感じながら、
心の奥底に隠れていた『真の愛情の深さ』、
それが表出したように感じられました。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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