他人事は自分事という真実

「対岸の火事ではない」「他山の石とする」「人の振り見て我が振り直せ」
「我以外皆我師也」「明日は我が身」「他人事ではない」

これらの言葉は本質は、「他人事は自分事である」ということにあります。
何かしらの教訓を自分に言い聞かすという感じになりますが、
災害、病気、怪我といった日常とは異なる事態が起きない限り、
正直言ってピンと来ないというのが本音だと思います。

そうなる背景にはほとんどの人々の心の中に、
「他人と自分は分かれて存在しているから別々の違う肉体、人格である」
という“自我意識の持つ特有の認識”があるからです。

この“自我意識の持つ特有の認識”は、実は“エゴ”なんです。
人のためとか地球のためという“奉仕の精神”と正反対のマインドで、
私たちは本来そのマインドを持っていて、
いつでも使おうと思えば使えのに、
“エゴ”がそのマインドを覆い隠している状態です。

私たちは、そんなこととも知らずに普段の日常生活が
平穏無事と思い込み、何の行動も起こさず、
無関心、怠惰な想いのまま日々過ごしている、
ということです。

ところが、目の前で起きている現実を注意深く観ていくと、
私たちの持つ価値基準で推し量る出来事の大小に関係なく、
学べるもの、気づけるもの、感じられるものが
そこに存在しているとわかり出してきます。

冒頭のような教訓を表している古い言葉が今でも残っている
ということは、人としての生き方を示していく上で
とても重要で存在意義があるから、たとえ時代が変わっても
伝えられてきたのではないでしょうか。

ここで1つのアプローチを試みたいと思います。

仮に人間の持つ意識自体に2つ種類があるとしたら…

1つ目は、「私」、つまり”ひとり”という個人の意識と捉えるなら、
個体意識、自我意識、現象我、エゴといった表現になります。

2つ目は、「私たち」、それは複数またはグループ、
国家や地域のみならず、人間という枠組みを超え、
動植物を含んだ全生物、そして、鉱物、空気、水などの
非生物として扱われる物質と呼ばれているカテゴリーを超え、

地球全体、太陽系全体、銀河系全体といった天体まで広がり、
究極は宇宙全体の隅々まで行き渡って、すべての中に存在している
“ひとつの意識”と捉えてそれを表現するなら、
集合意識、全体意識、普遍意識、宇宙意識といった
言い方になるかと思います。

ひと言で言うと、“ありとあらゆるすべての存在には、
意識が存在ている”
ということです。

ところで、日常生活を振り返ってみたらわかりますが、
私たちはほとんどの場合、その時の意識の状態は、
自分のことしか考えない「利己心」や、
過去を悔やみ未来を憂う「上の空」で、
個体意識、自我意識、つまり、エゴに焦点が当たったままになっています。

しかし、そんな中でも身体の中で、
“ひとつの意識”である普遍意識に焦点を常に合わせ続けている機能があります。

それは、私たち人間に生きていく上で大事な生命線とも言える、
「心臓の鼓動」「肺の呼吸」です。

つまり、この2つが機能可能な状態で保持できるのは、
“宇宙からのエネルギーとつながっている”という言い方もできます。
それ以外に何か他の要因は考えられるでしょうか?

よく思いつくものとしては「食べ物」があげられますが、
ならば数日間でも断食や絶食をした場合、
「心臓の鼓動」「肺の呼吸」は停止してしまい、
すべての人間は死んでしまうことになります。

ただ、不幸と思われても仕方ないのですが、
私たちはそのことに対して普段ほとんど無関心もしくは
意識していないため、そのお陰でこの地上に“生かされている”
ということまで気づいていません。

もし、私たちひとり1人が地上での生活をエゴに囚われている状態から、
宇宙全体の大調和のエネルギーへとつながっている
普遍意識へシフトできるのでしたら、人生での生き方そのものが
大変革を起こしていく可能性が十分にあります。

その新たな世界こそが、自他を分けないことで、
人々を恨んだり憎しみを持つことで、
傷つけ合い、争ったり、奪い合うことのない、

つまり、「他人事は自分事である」という認識へと
少しずつでもシフトしていき、内心へと深めていくことで、

「人のために自分ができることは何か」

「全体に貢献(寄与)する無私の奉仕とは」

「人を心から思いやる無償の愛とは」

このようなフレーズと向き合っていくようになっていきます。

そして、人間としての生きる本当の目的に向かって
前進して行けば行くほど、世の中全体も愛と平和に満ちた
調和とバランスの取れた社会へと移行していくように思います。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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どうぞよろしくお願い致します。

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