妄想とスピリチュアルとのつながり 前編

私が子供の時、ときどき不思議な妄想に囚われることがありました。
今でも覚えているのが2つあります。

1つが「死」にまつわる妄想でした。

確か小学校2年の時だったと思います。
それまで人の死について目に触れることはなかったのですが、
母方の曾祖母が亡くなった時の光景が記憶に刻みこまれました。

母の里では人が亡くなった後の風習で、葬儀の間中、
守り刀(短刀)が曾祖母の遺体の上に置かれていました。

「なぜ、守り刀が置いてあるの?」

と近くにいた祖母に尋ねたら、

「猫を遺体に近づけないため」

「猫が遺体をまたぐと遺体が化けるから」

そんな答えが返ってきました。

幼心にその話が恐怖に感じられ、
どうやら心の底に残ってしまったようなのです。
いわゆる“メンタルブロック”です。

“死ぬことはとても怖い”と頭にインプットされたようで、
日常生活の小さなことでも影響を受けて不安になり、
それが死に対する恐怖と重なることで、
夜に寝床に入っても、ひとりで寝ることが
できなくなってしまいました。

数年後、今度は母方の曾祖父が亡くなりました。

その時、祖母に思い切って、

「死ぬのは怖くない?」

と尋ねてみました。

祖母からは、
「死ぬのは怖いことではない」と返答され、
その覚悟がもう出来ていて、微笑みながら穏やかな表情で
話されたのが今でも私の記憶に残っています。

そして奇しくも同じ祖母の口から、「死」の”恐怖と安穏”
それを教えてもらえた、ということになり、
少し心の成長ができたのか、また安心感からか、
夜はひとりで寝ることができるようになりました。

同時に祖母は「死は怖くはない」と、“なぜそう思えるのか?”
そのことが私にとって50年以上に渡っての“疑問”として、
長い間、心の奥底にしまい込まれたままでした。

その“疑問”をひも解いていくヒントが、
どうやら精神世界やスピリチュアル分野といった、
“見えない世界”にあったように思います。

ひとつの魂が、物理的ヴァイブレーションでの意識の表現を終える際
(通常私達が死と呼んでいる現象)には、地上での出産時に手助けをする
医師や助産師、看護師のように、こうした過程を扱うことに熟練した
奉仕者達や、その魂の背後霊団に属する指導霊達が、当人の高次媒体が
肉体からスムーズに抜け出せるように具体的な操作をしたり、
場合によっては肉体と高次媒体との磁気的な繋がりを切り離したりして、
この過程が上手くいくように様々な援助をします。
また、本人に対する愛情や、その人の肉体を離れつつある状況を、
無用な恐怖心を抱かせずに理解させるという目的のために、
既に肉体を去っている知人がそれと判るような外見を採って
現れることもあります。
【新版 黎明 葦原瑞穂著 上巻 第8章 誕生と死 P178L19~L179L3】

祖母が「死は怖くはない」と言った理由、背景を、
本人から直接聞き出すことはできまらんでしたが、
上記のようなことをもしかしたら既に識っていた、または自覚していたのでは……
そのように私自身が年を重ねることで思えるようになりました。

この世界で当然のごとく展開されている、
物的確証や論理的確証に至る“見える世界”とは異なりますが、
個人の肉体に付随する五官、理解度、判断力、洞察力、直感などをベースに、
現象世界の奥に在る、“見えない世界”とどう向き合うか、

それを日々自分の持ち場で実践する中で、
物事の本質を見極められるかどうかが
大きな鍵を握っているように思えるのです。

物事の本質を正しく見極めることができたなら、
考え方、価値観、固定観念などの視点が今までより、
広がるような、または深堀していくように変化していき、
さらには受け容れ方も同じように変化していきます。

そのことによって日常生活は仕事といった社会活動への
取り組み方、在り方も次第に変わっていき、今までの自分と違う、
“新たな自分”を感覚として実感できると思います。

インドの聖者、アンマはかつてこんなメッセージを出しています。
“自分自身の在り方”の大切さを再認識しました。

死は人生の一部です。
私たちはみんな今日でも
明日にでも、いつかは直面
しなくてはいけません。
重要なことはどのように
死ぬかではなく、
どのように生きるかです。

  ―アンマ

【マートルヴァーニ日本語版 2015年3月号 P57】

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