目の前で起きていることがすべて Part3

私たち人間の行為について
古今東西、多くの賢者たちが口を揃えて、
“無知”とか“無明”とか言われて久しいですが、

それは私たち自身が、
“知っているようで知らない”
“わかっているようでわかっていない”

つまり、私たちの心が未熟なため、
本当の自覚に至ってない原因から言われることで、
現実の世界でも、ほとんどの人たちが無関心の状態で
意識を向けていません。

実際の日常生活を営んでいく上で、必要性、重要性がない、
という考え方からなのでしょうが、

しかし、心の視野がより広がっていき、
精神的な豊かさを醸成するという視点に立てば、
まだ未熟だから、または自覚に至ってないからこそ、
真摯に取組み、学んでいくことで新たな価値観を生み出し、
心の成長の伸びしろがある、

そのように捉えていった方が肯定的に前へと進めることが
できるように思います。

つまり、“無知”“無明”の最大の原因は、
私たちの“心、意識の持ち方”にあるということになります。

実際にご自分で観察してみたらわかると思いますが、
心、意識は一つのところに留まることはありません。
周囲のことに影響を受けながら常に動いています。

「不動心」という言葉があるように、
心がいつも瞑想状態のまま、
つまり、周囲のことに全く動じない、影響を受けない、
そんな状態でしたら何も問題は起きません。

ところが、心や意識が何かと騒がしく動き回っている以上、
その結果、身の回りの人間関係、出来事に巻き込まれたり、
振り回されたりという状況を何度も繰り返すことになります。

まるで、“ハツカネズミが回し車の中で回り続けている“、
そんないつも同じ光景のイメージを繰り返しているうち、
知らず知らずのうちに潜在意識の中にしっかり刷り込まれていき、
“何とも言えない嫌な感覚”を何度も何度も味わうこととなります。

挙句の果てに“出口のわからない迷路に入り込んでしまった
感じ”
となり、孤独感、虚しさ、やるせなさに襲われていきます。

そんな時、いつも自分の内側から出てくる言葉は決まっていて、

「どうしたらそこから抜け出せるのか?」

その一点となります。

その状態こそが、まさに“無知”“無明” の状態であることに、
自分でも全く気づいていないわけです。

よりわかりやすく言うなら、

「今に意識を向けられていない状態」

ということです。

しかし、もしそのことに向き合う覚悟を決めて、
さらに気づくことによって、それは“無知”“無明” の状態から
抜け出すヒントとなっていきます。

今に意識を向けるとは、
今、目の前にある、自分がやるべきことに全力集中して、
その時のできる限りの想いで丁寧に心を込めてひたすら
やっていくということです。

ただし、その場限りの一回や二回の行為で終わり
ということではなく、またすぐに結果や成果を期待したり、
求めるものではなく、

一度やるべきことが終われば、次の自らの行為についても、
また同じように全力集中して、その時のできる限りの想いで
丁寧に心を込めてただやる、それを繰り返していきます。

このように言えば、小学校の道徳の教科書に出てくるような
人としての基本中の基本、当たり前のこととして理解され、
簡単にできることのように思われるかもしれません。

実は私もこの取り組み始めた頃、そのように思っていました。
しかし、時間とともにそして慣れてくると同時に、
その重要な基本姿勢を忘れてしまっていました。

自分のためにもモノにしたいという想いと、
あきらめ、悔しさが交錯しながら、
忘れては思い出し、そしてまた忘れてしまい、
再び思い出す、

そんなことをめげずに繰り返しながら、
やり続けることによって、
とてもシンプルでありながら、その奥深さが
心と身体を通してわかってきます。

この手法が『カルマ・ヨガ』と呼ばれるもので、
日常生活すべて、つまり、人間が生きていく上で行なう、
心で想い、言葉で語り、行動を通してのすべての表現、

つまり、カルマ(行為)そのものをヨガとして
ひたすら真摯に誠心誠意取り組んでいくというものです。

私たち人間は、“今、この瞬間にしか生きていない”
このことを本当に理解できて実感できている人は、
ほとんどいないように思います。

具体的に言えば、“今、目の前で起きていることに
人それぞれの人生の意義が常に示され続けている”

ということです。

“今、この瞬間”という、地球の次元でしか経験できない、
その本質をより深く理解、そして確実に身につけるための
最も効果的な手法、
それが『カルマ・ヨガ』なのです。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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